年賀状とネイヴィ・ブルー

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年賀状は凝りはじめると、キリのなものですよね。「明けましておめでとうございます」でいいようなものの、なにかひとつ加えたくなって。自筆の文字を書くとか、自筆の絵を描くとか。
自分の出す年賀状に、絵を描いてもらった人がいます。年賀状に添える絵を、安西水丸に。こういうのを、贅沢というのでしょうね。誰が、安西水丸に年賀状の絵を描いてもらったのか。村上春樹が。この話は村上春樹著『村上朝日堂の逆襲』に出ていますから、ほんとうのことなんでしょう。
とあるバアに二人で行って。村上春樹が。
「水丸さん、絵を描いてよ」と、言ったんだそうです。まあ、村上春樹と安西水丸は、仲良しでしたからね。と、安西水丸は、「ああ、いいよ」と言った、二枚の絵を15秒で描いた。
さて、ここから村上春樹節がはじまるのですが。安西水丸は、筆を採るまでに、30分の間があった。この「30分の間」はいったい何であったのかと、村上春樹はまじめに考えるのであります。面白い。
『村上朝日堂の逆襲』には、スーツの話も出てきます。

「彼はビル・フィオラヴァンティというテーラーに約二百着のダークブルーのスーツを作らせて………………。」

「彼」とは、以前、レブロンの社長だった、チャールズ・レヴソンのこと。二百着のダークブルーのスーツ。それを順番に。ため息の出る話ですね。
そして村上春樹自身は、どうもネイヴィ・ブルーの、ダブルの、ブレイザー がお好きであるらしい。
さて、ネイヴィ・ブルーのブレイザー で、年賀状を買いに行くといたしましょうか。

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