オパールは、きれいな石ですよね。また、宝石の一種でもあります。オパールのペンダントなども、よく見かけるではありませんか。
宮澤賢治の詩に、『貝の火』があります。『貝の火』はふつう童話だと考えられています。でも、私にとってはそれ以上に美しい詩でもあるのですが。
お母さんは申しました。
「本当に、いい宝石だね。」
ホモいは得意になって云ひました。
「お母さん。僕はね、うまれつきあの貝の火と離れないやうになっているんですよ。
宮澤賢治の「貝の火」とは、オパールのことだったと考えられています。
宮澤賢治が大好きだったものに、音楽があります。もちろん、レコードで音楽を聴いたわけです。蓄音機に、竹針を付けて、聴いた。
宮澤賢治が花巻で、たくさんレコードを買ってくれるので。当時の「ポリドール・レコード」は、宮澤賢治に感謝状を贈ったそうです。
ある時、宮澤賢治はベートーヴェンの「運命」を聴いて。感動。
「おれも是非共こういうものを書かねばならない………………」。
その結果、書きはじめたのが、『春と修羅』なんだそうですね。大正十三年一月二十日のこと。
七つの森のこつちのひとつが
水の中よりももつと明るく
そしてたいへん巨きいのに
わたくしはでこぼっこ凍つた………………。
そんなふうにはじまっています。
オパールが出てくる小説に、『東京の人』があります。1955年に、川端康成が発表した長篇。
「プラチナのきやしやな鎖に、ロケツトがついた首かざりと、アメヂスト、オパアル、男持ちのインタアナシヨナルなどを持つてゐた。」
また、『東京の人』には、こんな場面も。
レエスの飾りのある、シユミイズを着ると、肩の圓みと腕の裏側に、シヤネルのオウデコロンをつけて、
「いくつに見える?」と、鏡のなかの女性に、敬子は問ひかけた。」
川端康成は、「オウデコロン」と書いています。たぶん、オオ・ドゥ・コローニュのことでしょう。もともとは、「ケルンの水」の意味。
うーん。オオ・ドゥ・コローニュをつけると、若くなるのでしょうか。
では、さて、いざ………………。