首飾りは、ネックレスのことですよね。また、ペンダントでもあります。男のペンダントもありますが、ネックレスとなれば、まずは淑女専用という印象があるでしょう。
ネックレスもピンキリ。私がちょっとした贈物に使うような代物もあれば、国宝級のネックレスもあったり。値の上下はさておき、ネックレスは重宝なものです。
貴婦人のご尊顔が、胸の白さがあまりに眩しいとき、ネックレスを眺めている方法がありますから。
首飾りの出てくる小説に、『首飾り』があります。ギイ・モオパッサンが、1884年「ゴーロワ」紙2月17日号に発表した短篇。
モオパッサンの『首飾り』は、空前絶後の名作。こと首飾りに関する限り、モオパッサンを超える小説は存在しません。おそらく、これからもモオパッサンを凌ぐ作品は生まれないでしょう。
モオパッサンの『首飾り』は。などとはじめるのが、くすぐったいくらいの古典ですが。その恥ずかしさに耐えて申しますと。
ロワゼル夫人が、富豪の友人、フォレスティエ夫人から首飾りを貸してもらう話。ところが、ロワゼル夫人は借りた首飾りを失くしてしまって。後はお読みになってのお愉しみ。
この『首飾り』ひとつ取りあげても、いかにモオパッサンが名人だったかが、よく分るに違いありません。
首飾りが出てくるミステリに、『カリオストロの復讐』があります。モオリス・ルブランが、1935年に発表した物語。
「土手の上で格闘が行なわれ、真珠の首飾りが盗まれ………………」。
また、『カリオストロの復讐』には、こんな描写も出てきます。
「衣裳箪笥には空色の絹のパンツ二枚、同じ色の絹靴下四足………………」
これはルパンの配下、トーマという男の衣裳箪笥の中。
スカイ・ブルーのシルク・ホーズ。しかも絹トランクスと色が揃えてあって。
一度でいいから、絹靴下を履いて、モオパッサンの初版本を探しに行きたいものですが。