ゲエテとスパッツ

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ゲエテは、『若きウエルテルの悩み』の作者ですよね。
『若きウエルテルの悩み』は、1774年の発表された小説。ナポレオンも愛読したというから、当時のベストセラーでもあったのでしょう。ゲエテは、1749年8月26日の生まれ。ドイツ、フランクフルトで。つまり、乙女座ということになります。
ゲエテは若いころから、占星術に興味があった。自分で自分のことを、占ったりも。いや、そればかりか、小説にも。
ゲエテの『ウイルヘルム・マイステル』には、物語の中に巧みに占星術が折り込まれています。ここで突然、話が変わるのですが。
ナポレオン・ボナパルトは、1769年8月15日の生まれ。コルシカ島で。つまり、獅子座。ゲエテとは二十歳の違いがあったことになります。
では、ナポレオンとゲエテは会っているのか、どうか。1808年10月のはじめに。おふたりは一度だけ、会っています。エルフルトで。エルフルトは、ドイツ中央部、テューリンゲン州の州都。1808年、ナポレオンはエルフルトにしばらく滞在。この時、ナポレオンがゲエテを招いた。その時の様子は、エミール・ルートヴィッヒ著『ナポレオン』に詳しく出ています。
1808年には、ゲエテ五十九歳。ナポレオン、三十九歳。ざっと一時間ほど、歓談。ナポレオンはこの時、ゲエテの若々しさ、堂々とした態度に驚いた。「これぞ男なり」とつぶやいたそうです。一方、ゲエテは後に、こんなふうに書いています。

「ナポレオンは徳を求めたがそれを見いだせず、権力を摑むに至った。」

ナポレオンが出てくるミステリに、『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』があります。ジョン・ディクスン・カーが、1942年に発表した物語。

「皇妃の父オーストリア皇帝よりボナパルトに贈呈されしもの。」

これが「皇帝の嗅ぎ煙草入れ」なんですね。このナポレオン愛用のスナッフ・ボックスを巡って……。『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』には、こんな場面も出てきます。

「いつも靴には白いスパッツをつけ、胸のボタン穴に白バラの花を忘れたことのない人柄なのだ。」

これは警察署長の、アリスティド・ゴロンの着こなし。
いつの日にか、スパッツを着けて。ゲエテの本を探しに行きたいものですが……。

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