銘酒と皇太子

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銘酒と言いましても。いろんなのがあるんでしょうね。
たとえば、カナリアワイン。英国のジョン・キーツの詩に「カナリアワイン」が出てきます。『酒場と人魚亭』の中に。「人魚亭」の主が銘酒としてすすめるのが、カナリアワイン。
カナリアワイン?。 もしかすれば、サック sack のことかも知れませんね。
昔、英国で「サック」といえば、シェリーのことだったんですね。どうしてシェリーを「サック」と言ったのか。これはフランスの「セック」 sec が訛ったものなんだとか。
今も昔もイギリス人はシェリーがお好きみたいで。たとえば、「プロフェッサーズ・ドリンク」の呼び方もあるんだそうです。大学教授の研究室には、一本や二本、シェリーを置いてあるものだそうですね。
シェリーが出てくるミステリに、『マクシム少佐の指揮』があります。ギャビン・ライアルが、1982年に発表した物語。この中に。

「ジョージが樽詰めのドライ・シェリイを大きなグラスで飲むことにしたのは、たぶん、その景色の影響であろう。」

ジョージ・ハービンガーは、美しい公園に面したクラブにいるからなんですね。ジョージ・ハービンガーは、首相補佐官という設定。どんな服装なのか。

「今日は、いつものプリンス・オブ・ウェールズ・チェックに竜騎兵近衛連隊のネクタイという週日の服装をしていた。」

プリンス・オブ・ウェールズ・チェックは、グレン・チェックにオーヴァー・プレイドをあしらった柄のこと。その昔、皇太子時代のエドワード七世が好んだ柄と、考えられています。
なにか皇太子柄上着で。銘酒を飲みに行くとしましょうか。

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