ペトリュスと着こなし

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ペトリュスってありますよね。これはもう、「御ペトリュス様」と呼びたくなってくるほどの、銘酒であります。
ペトリュスのエティケットの上のほうに、おじさんの顔が描かれています。あれは、ペテロなんだそうですね。イエス・キリストの弟子、聖者。本名、シモン。まあ、「聖なるワイン」ということなんでしょう。
この聖なるワイン、シャトー・ペトリュスが出てくる小説に、『ベルリン・ゲーム』が。レン・デントンが、1983に、発表した物語。ここでは1964年物のペトリュスが開けられるんですから、参ってしまいます。
1964年のシャトー・ペトリュスを飲むのは、物語の主人公、バーナード・サムソン。英国秘密情報局の局員という設定。ペトリュスを開けるのは、サイラス・ゴーントという富豪。
では、この時に、バーナード・サムソンはどんな服を着ているのか。さゔぃる・ロウ仕立ての、ダーク・スーツ。
一本のシャトー・ペトリュスと、極上のサヴィル・ロウ・スーツ。もしかすれば、同じくらいの値段かも知れませんね。もちろんどちらを選ぶかは、その人によって違ってくるのでしょうが。
ところで、バーナード・サムソンの上司はどんな恰好なのか。

「自分たちは成り上がりではないということを見せつけるために上流階級のいぎが考案した、よく着こんだ、かすかにだらしのない服装をしていた。」

これは、英国情報局長、サー・ヘンリー・クリーブモアの着こなしなんですね。これもまた、サヴィル・ロウ仕立てなんでしょう。それにしても、「かすかにだらしのない」というあたり、難しいですが。

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