俳句と三揃い

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俳句も時には面白いものですよね。
たった、五七五 なんですから、簡単。すぐにできてしまう。と、思いたいものではありますが。
むかし、松根東洋城という俳人がいました。夏目漱石から、英語を教えてもらったり。その漱石から正岡子規を紹介されています。
松根東洋城の本名は、松根豊次郎。豊次郎をもじって、東洋城。松根豊次郎の本職は宮内省式武官。
ある時、大正天皇が、松根豊次郎にご下問。「松根、俳句とは何か?」これに対する松根豊次郎の答え。
「渋柿のごときものにて候えど」
うーん。ご名答ですよね。松根東洋城の詠んだ句に。

金銀瑠璃 硨コ瑪瑙琥珀 葡萄哉

ごめんなさい。「硨コ」の「コ」の漢字が探せませんでした。石偏の画数の多い文字。貴石のひとつ。つまり葡萄の美しさを宝石などに喩えた一句。それがぜんぶ漢字というのも面白いですね。
葡萄の一種に、コンコード種があります。青くて、大きな粒の葡萄。口に入れるとすぐに皮が取れるので、食べやすい。アメリカ、マサッチューセッツ州、コンコード産の葡萄なので、その名前があります。
そのコンコードが舞台となるミステリに、『地上最後の刑事』があります。ベン・H・ウィンタースが、2012年に発表した物語。この中に。

「きょうの彼は、三つ揃いのスーツを着て、光沢のあるネクタイを締め、それとよくあう色のポケットチーフを差している。」

「彼」とは、コンコード警察の、カルバーソン刑事の着こなし。やっぱり、スリーピース・スーツ。いいですよね。

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