マンハタンとプラストロン

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マンハタンは、カクテルのひとつですね。そのマンハタンにも、いくつかの種類があるんだそうです。
たとえば、『サヴォイ・カクテル・ブック』をひらいてみますと。
◯ マンハタン・ナンバーワン
◯ マンハタン・ナンバートゥ
◯ マンハタン・スゥイート
◯ マンハタン・ドライ
この四種類のマンハタンが紹介されています。
さて、「マンハタン・ドライ」とは。ライ・ウイスキー、またはカナディアン・ウイスキーをベースにして。フレンチ・ヴェルモットと、イタリアン・ヴェルモットを加えて仕上げるんだそうですね。
マンハタンは、1870年代のNYで生まれたんだとか。その頃、「マンハタン・クラブ」というバアがあって、この店にはじまったという。少なくとも1890年代にはよく知られるカクテルになっていたらしい。
マンハタンが出てくるミステリに、『エミールの小さなオフィス』があります。ジョルジュ・シムノンの、短篇。

「ぼくは《マンハタン》を三杯飲み、おまけに《四人の伍長》でブランデーを二杯、サン・ルイ島のバーで生ビールを飲んでいる……」。

これは探偵の、エミールの科白なんですね。そのエミールは、スモーキング ( ディナー・ジャケット ) を着ている。また、こんな描写も。

「その男はエミール同様タキシードを着、ひどく糊のきいたプラストロンをつけたトランスだった。」

このトランスも、また探偵という設定になっています。
「プラストロン」 plastron はいわゆる「イカ胸」のこと。
ただし、時によっては着脱式の、胸飾りも、「プラストロン」と呼ぶこともあるのですが。

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