ピエールとピン・ストライプ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ピエールは、珍しい名前ではありませんよね。ことにフランス人には多い名前みたいです。ピエール・カルダンだとか、ピエール・バルマンだとか、ピエール・ベルジュだとか。
そして、もうおひとりが、ドン・ピエール・ペニリヨン。もちろん、あのドン・ペニリヨンのことです。フランス国王、ルイ十四世はいつもシャンパンがお好きだった。それでフランス宮廷にシャンパンが流行ったとも言われています。ルイ十四世は、1638年のお生まれ。ドン・ペニリヨンもルイ十四世と同じ年に生まれて、同じ年に世を去っています。
ドン・ペニリヨンははじめからシャンパンを発明するつもりではなかったらしい。むしろ、より優れた、高級ワインにしたいと思った。そのためにドン・ペニリヨンは多くの改良を行なっています。
ひとつの例を挙げるなら、剪定。良い葡萄を実らせるために、他の葡萄を切った。今では当たり前のことですが、これもドン・ペニリヨンがはじめたことと、伝えられています。
また、当時のワイン醸造法では、熟成途中の「泡」は邪魔物と考えられていた。でも、ドン・ペニリヨンはもし「泡」があっても結果として美味であれば良いではないか、と考えたのです。これが、シャンパンの発明につながったのでしょう。
その「ワイン」をはじめて飲んだ時のドン・ペニリヨンの言葉。

「私は、星を味わった。」

シャンパンが出てくるミステリに、『片腕をなくした男』があります。2009年に、ブライアン・フリーマントルが発表した物語。

「グルジアではなくフランスのシャンパンをすでにグラスに満たして………………」。

これはロシアが舞台なので、「グルジア」と出てくるのでしょう。グルジアでもワインは造られていますから。『片腕をなくした男』には、こんな描写も出てきます。

「ピンストライプのスーツにカミソリの折り目の入ったズボンという服装のスタウトが………………」。

レグ・スタウトは、英国大使館の、警備責任者という設定。
ピン・ストライプのスーツを着て、泡がまっすぐに登るシャンパンを飲んでみたいものですね。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone