アメリカと麻服

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アメリカに、そのむかし住んだ人に、安岡章太郎がいるんですね。安岡章太郎は、1960年11月26日に日本を発ち、1961年5月17に帰国。その間、ほとんどをテネシー州、ナッシュヴィルに暮らしています。
その時の滞在記が、『アメリカ感情旅行』なのです。この中に、ケネディ大統領の就任式の様子が出ています。安岡章太郎は、もちろんナッシュヴィルにいて、友人宅のTVでそれを観たのですが。

「二人ともシルク・ハットをかぶっているが、あまり似合わない。」

そんな風に書いています。1961年1月20日のところに。この日のワシントンはマイナス10度以下。皆、厚手の外套を着込んで。ところが、たった一人だけケネディ大統領は、スーツだけだったそうです。ここでの「二人」が、前大統領のアイゼンハウワーとケネディとであるのは、いうまでもないでしょう。
安岡章太郎の著書に、『良友・悪友』があります。この中に、戦前の様子が描かれています。

「学生服を脱いで、外へ酒をのみに出るときなどには、白麻のセビロにカンカン帽をかぶるのだが……………………。」

これは「良友」の石山という人物。おそらく昭和十年代の話なのでしょう。それくらいに、麻服は流行ったのです。カンカン帽も。麻服で、アメリカ旅行。これまた、夢物語ではありますが。

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