ジョイスとシューズ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ジョイスは、人の名前ですよね。でも、ジョイスで偉大なる小説家といえば、
ジェイムズ・ジョイスでしょうか。
ジェイムズ・ジョイスは、1882年2月2日。アイルランドに生まれています。
ダブリンの、ブライトン・スクエア四十一番地において。お父さんの名前は、ジョン。
お母さんの名前は、メアリイ。
ジェイムズ・ジョイスは、1894年、十二歳のとき。チャールズ・ラムの
『ユリシーズの冒険』を読んで、感動。
ジョイスは『わが敬愛する英雄』と題する作文を仕上げています。
1922年2月2日。ジョイスは『ユリシーズ』を発表。ジョイス四十歳の誕生日に。
現在、ジョイスの『ユリシーズ』は、名著中の名著だと考えられています。少なくとも英文学を志す人にとっては、必読書でありましょう。
1920年代はじめ、『ユリシーズ』はすでに完成していたのですが。なかなか出版には至りませんでした。
そんなこともあって、『ユリシーズ』は巴里の「シェイクスピア書店」から刊行されています。全部で、約千部ほど印刷。このうちの百部は、ジョイスの署名入り。一冊、350フランでありました。これは今では稀覯本となっています。
『ユリシーズ』は、ダブリンの一日を描いた長篇。この中に。

「彼は薄黄いろのチョッキの端をきっちり引きおろしながらスティーヴンに言った。」

そんな一節が出てきます。これは、バック・マリガンの様子。バック・マリガンは、主人公、スティーヴン・ディーダラスの親友という設定。
マリガンの本名は、マラカイ・マリガン。でも、あんまり洒落者なので、「バック・マリガン」。
バック・マリガンは身体にフィットしたウエイストコートを着ているのでしょうね。
ジェイムズ・ジョイスと、ヴァージニア・ウルフ。ヴァージニア・ウルフは、1882年
1月25日の生まれ。ジョイスとは同い年だったわけですね。
以前、ジョイスはウルフに、『ユリシーズ』の出版社について相談したことがあるんだそうです。結局はいろんな事情から、陽の目をみることがなかったのですが。
ウルフの代表作に、『灯台へ』があります。『灯台へ』は、1927年の発表。この中に。

「うん、そうだろうとも、と、ラムジーはリリーの前に足をあげて見せながら答えた。
なにせ、一級品の靴だからな。こんな靴を作れる男はイングランド広しといえども一人しかおらん。」

リリーがラムジーの履いている靴に注目した時の、科白。ここから、延々と「靴」とは何かの、説明がはじまるのですが。要するにシューズは「履く藝術品」でなければいけない、ということに尽きるのであります。
どなたか「足を上げる」ことのできるシューズを作って頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone