アレクサンドロスとアーミン

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アレクサンドロスは、古代ギリシアの英雄ですよね。正しくは、アレクサンドロス三世。
紀元前356年7月20日に、ペラに生まれています。「アレクサンドロス大王」は、ヨオロッパでの名称。英語としては「アレうサンダー大王」のほうが、馴染まれているのかも知れません。もちろん同一人物であります。
アレクサンドロス三世は、16歳まではアリストテレスの教えを受け、二十歳で王となったお方。また、東方遠征を企て、当時としてはほぼ世界制覇を達成した人物でもあります。
今もある「アレクサンドリア」の都市は、アレクサンドロス三世によって建設されたものです。
アレクサンドロス三世で有名なものに、「ゴルディアスの結び目」があります。ゼウスの神殿前に置かれていた当時の戦車を繋いである結び目。これは複雑この上もない結び目のことで、誰一人として解いた者がいない。
このゴルディアスの結び目の前に立ったのが、アレクサンドロス大王。アレクサンドロスはただちに剣を抜いて、断ち切った。そして居並ぶ部下に、このように言ったそうです。

「運命とは伝説によって支配されるのではなく、自らの力によって切り拓くものである。」

アレクサンドロスが出てくる物語に、『ドン・キホーテ』があります。
スペインの作家、セルバンテスが、1605年に発表した長篇。今からざっと四百年前の、滑稽小説です。

「エウリヤルスの友情、アレクサンドロスの豪華、カエサルの剛毅」

これは歴代の英雄を並べ挙げている場面。延々と続く文章なのですが。『ドン・キホーテ』は、一種の英雄譚でもありますから、古代の英雄が出てくるのも当然でしょう。
『ドン・キホーテ』は文句なしに、面白い。十七世紀すでに売れに売れたんだそうですね。
ほんの一例ですが。1612年には、英語訳の『ドン・キホーテ』がロンドンで出版されています。この英語版の『ドン・キホーテ』は、シェイクスピアも読んだと伝えられているのですが。

シェイクスピアは1616年4月23日に、永眠。そしてセルバンテスも同じく1616円4月23日に、世を去っています。ただし、当時のイギリスとスペインとが同じ暦であったかどうか、疑問の残るところではありますが。

セルバンテスの『ドン・キホーテ』の中に、こんな話が出てきます。

白貂は純白な毛皮をもつ小獣で、猟師がこれを捕りたいと思う時には、つぎのような策を用いる。

さて、その策とは。まず最初、大きな泥濘をわざと作っておく。それから白貂を追いたてて、泥濘にまで追い詰める。白貂は、その泥濘の前で立ち止まる。
せっかくの自分の白い毛皮を汚したくないので。その白貂が立ち止まったところを、猟師がやすやすと捕えるのだ、と。
もっともセルバンテスの『ドン・キホーテ』ですから、セルバンテス独特のユウモアが隠されているのか、どうか、私は識るところがありませんが。
それはともかく十七世紀にも、白貂が貴重な毛皮だったことは間違いないでしょう。
白貂は、「アーミン」ermin
。中世以来、王のマントの裏に用いられた伝統があります。服飾史などを開きますと、王が白い毛皮裏のマントを羽織っていることがあります。あれがアーミンなのです。
よく見ると、黒い斑点が散っています。あれはアーミンの尻尾の部分。つまり、あの黒い斑点の数だけのアーミンが用いられている毛皮裏なのです。
どなたかアーミンの外套を仕立てて頂けませんでしょうか。

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