ベッタンとベレエ

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ベッタンは、メンコのことですよね。昔の関西語では、ベッタンと言ったんだそうですね。関東語なら、メンコでしょうか。
漢字なら、面子。厚いボール紙で、上に絵が描いてあって。これを台の上に叩きつけて、相手のメンコをひっくり返す。そのひっくり返したメンコは自分のものになるというお遊びでありました。

「今日も又彼の駄菓子屋の前にめんことやらを仕て居ながら

明治二十八年に、齋藤緑雨が発表した小説『門三味線』に、そんな一節が出てきます。明治の子供もまたメンコで遊んだのでしょう。

メンコが出てくる伝記に『ぼくはマンガ家』があります。手塚治虫の伝記なのですが。

「ベッタンと呼ばれるメンコ、奴凧、風船ガム、お好みあられ、するめに塩昆布ねじきり飴に一口カステラ、そして赤本」

手塚治虫は若い頃の駄菓子屋風景を、そんなふうに書いてあります。
また、『ぼくはマンガ家』には、はじめてアメリカに行く様子についても。

「いいですよ、そのほうが手塚さんらしいから」

誰かが、アメリカに行くには、ソフト帽をかぶらなくてはじめて、と。それで手塚治虫はベレエでないとアメリカには行かない、と言い出して。結局はいつものベレエでアメリカに行くことになったんだそうですね。

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