コレットは、イタリア語なんだそうですね。コレット correto は、英語なら「コレクト」でしょうか。もちろん、「正しい」の意味。
イタリアには、「正しいコーヒー」があるらしい。「カフェ・コレット」。これは酒を加えたコーヒーのことなんですね。
エスプレッソの中に、少しアルコールを垂らした飲み物。酒は特には決まってはいません。でも、イタリアでのことですか、グラッパが多い。結局、エスプレッソ+グラッパが、カフェ・コレットということになります。
バールで一杯のエスプレッソを頼む。そこに砂糖を入れて、かき混ぜないで、飲む。飲んだ後、ごく少しのコーヒーと砂糖とが底に残る。ここにグラッパを入れて、あらためて、味わう。そんな粋な飲み方もあるようですね。
昔気質のイタリア人にとってのカフェ・コレットは、朝一番の飲み物。起きてすぐの、気付け薬。これがたいていカフェよりも、グラッパの量が多い。どうかすると。グラッパ9に対して、カフェ1の割合だったり。ほとんど、「カフェで香りをつけたグラッパ」の感じ。それでも名前は、カフェ・コレット。
グラッパと、「グレイプ」はなにか、関係があるんでしょうね。当然、ワインとも関係しています。ワインを造るために葡萄を絞る。絞ったあとの残るを使って、醸造したものが、グラッパ。フランスの、マールとよく似ています。
グラッパの本場は、北イタリア、ヴェネト州、ヴィチェンツア、バッサーノ・デル・グラッパ。ここでのもうひとつの名産品が、ホワイト・アスパラガスなんだそうですね。
グラッパが出てくるミステリに、『死よ光よ』が。デイヴィッド・ダクーソンが、1999年に発表した物語。
「ベンは、スタックハウスと一緒に居酒屋へ行ってグラッパを飲んだ。」
ベン・ギヴンズは、元心臓外科医という設定。また、こんな描写も。
「駐車場でベンは、狩猟コートをぎゅっと体に巻きつけるようにし……」
これはたぶん、ハンティング・コートなんでしょうね。
さて。なにかハンティング・コートを着て、コレットを飲みに行くとしましょうか。