ホットとホーズ

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ホットは、「熱い」ことですよね。ホット・コーヒーという時の「ホット」であります。hot と書いて「ホット」と訓みます。
英語のホットは、古代英語の「ハット」hāt から来ているんだとか。そしてまた、「ヒート」heat も同じところから出ているんだそうですね。
ホットで嬉しいもののひとつに、ホット・ウイスキイがあります。寒い時の寝酒にホット・ウイスキイは最適でしょう。
ホット・ウイスキイが出てくる短篇に、『手袋のかたつぽ』があります。永井龍男が、昭和十八年に発表した作品。

「兩の手で包んだホットウイスキーのカップを、時々舐めるやうにして語り出した。」

これは戦前の北京が背景になっています。永井龍男が泊まった宿に、北京在住の日本人が訪ねて来る場面として。永井龍男もまた勧められて、ホット・ウイスキイを飲んでいるのですが。客の名前は「某」として、明らかにはされていません。が、成功した実業家とのことです。
永井龍男の『手袋のかたつぽ』には、昔のミルクホールの話も出てきます。

「牛乳が確か五銭、トーストが五銭、白い卓布の上に硝子の台付の蓋物が置いてあつて、中にカステラやワップルや、ドーナツ………」

永井龍男は当時のミルクホールの様子をそんなふうに説明しています。永井龍男は「ワップル」と書いています。その時代には「ワップル」と言ったのでしょう。

ホット・ワインが出てくる『日記』に、『サミュエル・ピープスの日記』があります。

「………上等のワインをのんだ。わたしは熱燗だけにしておいた ー 近ごろはずっとこれが習慣になっている。」

1667年3月26日の『日記』に、そのように書いてあります。これは「キャッスル」というパブでのこと。
イギリスにホット・ワインがあれば、フランスには「ヴァン・ショオ」があります。風邪の特効薬という説もあるようです。
また、『サミュエル・ピープスの日記』には、こんな一節も出てきます。

「………新しい短靴下と木綿の長靴下を探しながら………」

1667年3月9日の『日記』に、そのように出てきます。サミュエル・ピープスが風邪をひいた原因を、薄着で靴下を探していたからと、考えている場面。
まあ、それはともかく、サミュエル・ピープスがホーズとソックスを履いていたことは間違いないでしょう。
どなたか十七世紀ふうのホーズを作って頂けませんでしょうか。

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