タブロイドとタモシャンター

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タブロイドは、紙の大きさのことですよね。tabloid
と書いて、「タブロイド」と訓みます。「紙の大きさ」としては、1901年頃から用いられているそうです。が、もともとは英国の薬の名前。
1884年に、「メッサーズ・バロウ・ウエルカム」社が売り出した「タブロイド」にはじまっているんだそうですね。
タブロイドが出てくる小説に、『彷徨』があります。昭和三十年に、丹羽文雄が発表した物語。

「タブロイド判の四頁の新聞を、とにかく老社長と久村の二人で編集する。」

「久村」は物語の主人公。『新菓糖新聞』に席を置いている設定になっています。砂糖と飴の業界紙。発行部数、七千部。「森永」、「明治」などが大得意。その時代には、「紅梅キャラメル」などもあったらしい。
『彷徨』には、こんな描写も出てきます。

「舶来の生地で背広と、合オーバーと、トレンチ・コートをつくった。装身具もそれにふさわしいものを揃えた。」

いいなあ。

タブロイドが出てくるミステリに、『水時計』があります。2002年に、英国の作家、ジム・ケリーが発表した物語。

「タブロイド紙も一般紙と同じくらい記事を使用しているとするならば、約七百ポンドの収入になるだろう。」

これは「ドライデン」の予測として。また、『水時計』には、こんな描写も出てきます。

「ミッチは退屈することなど決してように思われる小柄なスコットランド人で、馬鹿げたゴシップとまがい物のタモシャンターの大ファンだった。」

これはカメラマンの「マッキントッシュ」の様子。
「タモシャンター」 tamo`sha nter
は、スコットランドの詩人、ロバート・バーンズの詩から生まれた言葉です。1790年に、ロバート・バーンズが詠んだ『シャンタのタム』から出た言い方。
その頃、「グロース大佐」という考古学者がいて。ロバート・バーンズに詩作を依頼。今は廃墟となっている「アロウエイの教会」について。
ロバート・バーンズは『シャンタのタム』を、ニス川の畔で一日で仕上げたという。
どなたか1790年頃のタモシャンターを再現して頂けませんでしょうか。

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