洗礼者とセント・ジェイムズ

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洗礼者ヨハネというのがありますよね。洗礼者ヨハネは、『新訳聖書』に登場する預言者。でも、ここから宗教の話をはじめるわけではありません。
美食の話。「洗礼者ヨハネ風」という料理があるんだそうです。「洗礼者ヨハネ風」の名づけ親は、ロオトレック。イナゴの塩焼きを、ロオトレックは「洗礼者ヨハネ風」と命名したわけですね。ロオトレックは「洗礼者ヨハネ風」の味を、「野原の小エビ」と形容しています。
このロオトレックの「洗礼者ヨハネ風」に反応したのが、開高 健。よくある佃煮風よりも、「洗礼者ヨハネ風」が好みだと、書いています。
開高 健が着るに至らなかったものに、バスク・シャツがあります。細川布久子著『わたしの開高健』にその話が出ています。

「昔ながらに手織り綿で作られていることで有名な、フランスのセントジェイムス
というブランド名を持つ白と紺の横縞のボートネックのTシャツである。」

細川布久子は雑誌でバスク・シャツを知り、開高 健に贈ろうとする場面。でも、結局は開高はい着ることがなかった、と。
「セント・ジェイムズ」は、1889年の創業。セント・ジェイムズは北フランス、ノルマンディーの静かな町。一時期、英國に占領されたので、今も英國風に地名が遺っています。バスク・シャツはもともと、フランス海軍の制服としても、納められていたそうです。

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