ガイドブックとチケット・ポケット

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ガイドブックといえば。たとえば、「ミシュラン」がありますよね。
懇切丁寧とはあのことを指すのでは、と思ってしまいます。仮に言葉が分からなくても、絵文字を見ているだけで、おおよその見当がつけられますからね。
「ギード・ミシュラン」が出たのは、1900年のことなんだとか。自動車のタイヤで有名なミシュランがサーヴィスのために発行した。サーヴィスだったから、無料だったそうです。「さあ、これを参考に大いに自動車での旅を愉しんで下さい」。それが目的だったという。
フランスにミシュランがあれば、イギリスには「ブラッドショウ」があります。正しくは、「あった」というべきですが。残念ながら、1961年6月号を最後に、消えてしまいました。
でも、歴史はミシュランより古くて、1839年の創刊。ジョージ・ブラッドショウという名の印刷会社の社長がはじめたもの。「ブラッドショウ」は、そこから来ている。
ブラッドショウにはブラッドショウの緻密さがあって、およそ鉄道列車に関しては分からないことがないくらいに、詳しい。
そのブラッドショウが出てくるミステリに、『ダイナマイト・パーティへの招待』が。ピーター・ラヴゼイが、1974に発表した物語。ただし物語の背景は、1884年頃になっているんですが。
この中に、「リーファー・ジャケット」が出てくる。スコットランドヤードの部長刑事、クリッブがそれを着る場面。

「ところが左側のチケットポケットに手を入れてみると、鉄道切符が一枚入っているではないか。」

1884年頃のリーファー・ジャケットには、チケット・ポケットが付くことがあったんでしょう。
さて、チケット・ポケットのある服を着て。ガイドブックを眺めるとしましょうか。

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