絨毯とマッキノー

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絨毯の話なんですが。昔、絨毯製の鞄があった話。
つまり、「カーペット・バッグ」。これはどうも1840年代のアメリカにはじまっているみたいなんですね。
どうして、カーペットなのか。それは、丈夫で、美しくもあったからでしょう。また、絨毯再利用ということもあったでしょう。
絨毯は人がよく歩く所だけが擦り切れたり。ならば、それ以外のなんともない部分だけを何かに使えないものか。これも自然のことだったでしょう。で、カーペット・バッグ。
ところが1860年代になって。「カーペット・バガー」の言葉が生まれるんですね。「カーペット・バッグを持つような人」。これがやがてだんだんと、「山師」を指す言葉になってゆく。
アメリカ南北戦争の時。このドサクサにつけこんでの、一攫千金を夢見る。そんな人を、「カーペット・バガー」と言ったらしい。
このカーペット・バッグらしきものが出てくるミステリに、『最初で最後のスパイ』があります。ロバート・リテルが、1990年な発表した物語。

「ミルドレットはカーペット地でできた昔の旅行鞄ふうハンドバッグから電卓をとりだし、数字を打ちこんだ。」

ミルドレットはCIA調査官の助手という設定。『最初で最後のスパイ』には、こんな描写も。

「色あせたジーンズのすそを足首まである革のブーツにたくしこみ、樟脳のにおいのするマッキノー・コートをはおり………」。

これはカメラマンの、スノウという人物の姿。
マッキノー・コートは、カーペットならぬ、ブランケットで仕立てたコート。ミシガン州、マッキノーの、ネイティヴ・アメリカンがはじめたので、その名前があります。

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