イェーツとスェーター

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イェーツはアイルランドに生まれた詩人ですよね。
イェーツに、『クール湖の野生の白鳥』という詩があります。

木々は秋色のさなか
森の道はかわき
湖水は静かな空を映す。
あふれる岩間の水の上に
五十九羽の白鳥。

クール湖は、アイルランド西部の湖。ゴールウエイ地方のクールにあります。このクールの持ち主だったのが、グレゴリー夫人。イェーツとも友だちでありました。イェーツは1897年の夏をはじめとして、何度もクールを訪ねています。それにしても。白鳥の数、五十九羽。よく数えたものですね。
クールへ行く前の年に。イェーツはパリに旅しています。1896年に。この時、偶然に、シングに会う。ジョン・ミリルトン・シングに。それは、12月21日のこと。パリの「オテル・コルネイユ」で。たまたま同じホテルに泊まっていたんですね。シング、25歳。イェーツ31歳のとき。
そこでイェーツはシングに、アラン島へ行くことをすすめる。イェーツは以前、アラン島に行ったことがあったので。
で、シングはアラン島へ。1898年5月10日のことです。シングはこれを手はじめに、何度もアラン島を訪れ、住んでもいます。

「アランモアでは若者たちの多くは普通の漁師セーターを着るようになっていたが、この島ではまだひとりしか見かけていない。」

シング著『アラン島』には、そんなふうに書いています。また、アラン島ではフランネルが安いとも。それというのも。糸は島人が自分で紡ぎ、それを織り手に織ってもらうから。その値、1ヤードに4ペンスであるという。
それはともかく、今の「アラン・スェーター」が、アラン島のフィッシャーマンズ・スェーターが元になっているのは、言うまでもないでしょう。

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