ヴォーグとホームスパン

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ヴォーグは美しい、立派な雑誌ですね。もう眺めているだけで、ため息だ出てきます。
1892年の創刊というから、古い。最初は、週刊だったそうですが。アーサー・ボールドウィン・ターナーがはじめたと伝えられています。
昔、ヴォーグの優れた編集者に、カーメル・スノウという女性がいた。1929年には「アメリカン•ヴォーグ」の編集長になっています。カーメル・スノウは、アイルランド、ダブリンの近くで、1886年頃に生まれているんだとか。
でも、「アメリカン•ヴォーグ」の上司に、エドナ・ウールマン・チェースというお方がいらして。どうも、カーメル・スノウと相性が悪い。
そんな時に、『ハーパーズ・バザー』から、誘われる。カーメル・スノウ、迷いに迷って。最後は占い師に決めてもらったという。結局、『ハーパーズ・バザー』に移籍。1929年のこと。
カーメル・スノウは『ハーパーズ・バザー』で敏腕を振るって、成功。
この時、カーメル・スノウがファッション担当編集者として重用したのが、ダイアナ・ヴリーランドなんですね。ダイアナ・ヴリーランドがのちに『ヴォーグ』に引き抜かれるんですから、因果は巡る、とでも言えば良いのでしょうか。
『ヴォーグ』の出てくる小説に、『細雪』があります。もちろん、谷崎潤一郎。谷崎潤一郎の最高傑作。この中に。

「ジャルダン・デ・モードやヴォーグなどと云う外国の雑誌を参考にして………」

これは妙子という女性が洋裁に長けている場面での描写なんですね。また、こんな場面も出てきます。

「殆ど白無地に近い明るいホームスパンの上衣に鼠のフランネルのズボンを………」

これは「奥畑」という男の着こなし。
ホームスパンはトゥイードの原型とも言われる材質のことですね。

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