エッシャーとチェック

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エッシャーは騙し絵作家ですよね。マウリッツ・コルネリス・エッシャー。オランダの絵師。
騙し絵は、「トロンプ・ルイユ」とも呼ばれるんだそうですが。目の錯覚を利用してあり得ない構図に仕上げる絵のこと。
エッシャーは階段を水が流れる絵を描いて、永久運動を完成させています。
『目は嘘をつく』は、騙し絵作家が主人公となるミステリ。ジェイン・スタントン・ヒッチコックの物語。
主人公は、フェイス・クロウェル。NYに事務所を持つ、三十九歳の女性。著者のヒッチコックは最初、『トロンプ・ルイユ』の題にしたところ、編集者に反対されたんだそうですが。『目は嘘をつく』の中に。

「あなたブラーニー石にキスしたの?」

という会話が出てきます。もちろん主人公の、フェイスの科白。この「ブラーニー」は、アイルランド、コークの近くにある「ブラーニー・キャッスル」のこと。ブラーニー城にはブラーニー石があって、この石にキスすると、口上手になるとの伝説があります。
『目は嘘をつく』での、「あなたブラーニー石にキスしたの?」は、「お口がお上手ね」くらいの意味なんでしょうね。また、こんな描写も。

「痩せた身体を引きたてるぴっちりしたブルー・ジーンズにチェックのシャツを着て、襟元のボタンをひとつ余分に外している。」

これは、はじめて会った、ロベルト・マーディの様子。もちろんフェイスから眺めての、印象。
チェック、チェック! チェック? 。もしかして、ギンガム・チェックなんでしょうか。

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