王女と白麻

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『王女メディア』という芝居がありますよね。原作は、古代ギリシア悲劇。エウリピデスの作なんだそうです。
紀元前431年には上演された記録があります。今からざっと2500年近くも前の話というわけですね。今も、2500年前も、人の心に変わりはない、ということなんでしょうか。
『王女メディア』は悲劇で、演劇で、極端ではありますが。でも、人の心の哀れを識るには、ひとつの名作であります。
王女と言って想う名曲に、『亡き王女のためのパヴァーヌ』があります。どんなに哀しい気分の時であっても、『亡き王女のためのパヴァーヌ』を聴くと、心が平安で満たされます。美しく、優雅な曲。
『亡き王女のためのパヴァーヌ』はもちろん、ラヴェルの作曲。1900年頃。モーリス・ラヴェルはルーヴル美術館に。ここで、スペインの画家、ヴェラスケスに出会う。『マルガリータ王女』の絵に惹きつけられる。このヴェラスケスの絵から生まれたのが、『亡き王女のためのパヴァーヌ』だとする説があります。『亡き王女のためのパヴァーヌ』は、1902年の発表。
1902年に生まれたのが、久生十蘭。久生十蘭は昭和の作家。『鈴木主水』では、直木賞を受けています。久生十蘭の『従軍日記』を読んでいると。

「二人でドンジユン街のホフマンという店へ行き、白服(上下 )を注文す。背広上下二十二円とは驚くべし。仮縫は十ハ日とのこと。」

これは3月11日の日記。インドネシア、ジャワでのこと。『従軍日記』の前後から、これはどうも「白麻」であるらしい。今からざっと八十年ほど前の「白麻」、どんなスタイルだったのでしょうか。

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