ジンとジャーミン

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ジンは美味しい酒ですよね。ジンは多くのカクテルの基でもあります。
もっともジンをそのままに飲む人もいるようですが。少なくともマティー二には欠かせないものでしょう。
ジンについては、吉田健一が書いています。『酒談義』という随筆の中に。『酒談義』ですからジンに限らずいろんな酒の話が出てくるのですが。
ある時、頂き物のジンに、屠蘇散を混ぜて飲んだら美味かったとか。まあ、ジンはもともと薬酒ですから、合うんでしょうね。
『酒談義』はもちろんですが。吉田健一の随筆は、酔う。酔わされてしまう。なんだかスローなジェットコースターに乗っているやうなところがあります。ほら、もうすでに酔っています。そんなわけで吉田健一の随筆は単なる名文ではなくて。「酩酊文」というべきかも知れませんね。
同じく吉田健一の随筆に、『ロンドン訪問記』があります。この随筆の中で、イアン・フレミングの自宅を訪ねる話が出てきます。もちろん、あの「007」の作者、イアン・フレミングの家に。
まったくの余談ですが、旅行家の、ピーター・フレミングはイアン・フレミングのお兄さんなんだそうですね。
それはともかく、イアン・フレミングの家に行くと。「飲むか?」と問われる。「飲む」と答えると、ウイスキーが出てきた。もちろん吉田健一のことですから原文には、「ウイスキイ」と書いているのですが。このフレミング家で飲ませてもらったウイスキーがすこぶるだった、と。
ところで吉田健一はどうしてイアン・フレミングの家に行ったのか。ジャーミン街で買物したから。当時、フレミング家はジャーミン街のすぐ近くだったらしい。
吉田健一は久しぶりのジャーミン街で、買物。これは当然でしょう。その数多い買物の中に。「黒いネクタイ」が。これはどうも前後の文章からするに。手結びのブラック・タイだったみたいですね。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone