バーグマンとハード・カラー

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バーグマンで、女優でといえば、イングリッド・バーグマンですよね。気品を感じさせるアクトレスでした。スエーデンは美女の宝庫なんでしょう。映画『カサブランカ』でのバーグマンの美しさは、今もって語り草であります。
一時期、バーグマンと仲良しだったのが、キャパ。写真家の、ロバート・キャパ。 1945年6月6日。パリで、はじめて会っています。1945年は第二次大戦末期で、バーグマンは慰問に訪れて。この日、パリの「リッツ・ホテル」に泊まっています。
キャパはもちろん、取材のために、「オテル・リッツ」に泊まっていた。リッツのロビーでキャパがショオと話をしていると。とびきりの美人が宿帳に署名している。あのキャパがこのシャッターチャンスを逃すはずがありません。
キャパはショオと連名で、お誘いの手紙をバーグマンに届ける。ここでのショオは言うまでもなく、アーウイン・ショオなんですね。もっともバーグマンはこの時には、ショオが誰であるのか、キャパが何者であるかの、ちっとも知らなかったのですが。
1945年6月6日、6時30分。バーグマンは約束通り、ロビーに降りてきて。それはキャパとショオの連名の手紙があまりにも面白かったから。
バーグマンはその時、シンプルなドレスに、アクセサリーはほとんどなく、ただ髪に赤い花を挿していたという。
バーグマン、キャパ、ショオの三人はパリの街に出て、まずシャンゼリゼの「フーケ」に入っています。「フーケ」ではシャンパンで乾杯を。「フーケ」の後は、「マキシム」へ。それからさらに、モンマルトルの小さなクラブへ。このクラブで朝まで飲んで、踊って。バーグマンと、キャパはセエヌ川に沿って、歩いてリッツまで帰ったという。
この6月6日の出会いをきっかけに、戦後もバーグマンとキャパは何度も会っているようですね。1940年代に活躍した写真家としては、キャパこそもっとも華やかな女性に囲まれた人物でしょう。
キャパと女性で忘れてならない存在に、ピンキーがいます。「ピンキー」はキャパが名づけた仇名。髪の色がピンクに想えたからです。それとはまた別の女性、「ピンキー」出てくる小説に、『ブライトン・ロック』があります。グレアム・グリーンが、1938年に発表した物語。「ブライトン・ロック」は、ねじり棒の形をしたキャンディーのことなんだそうですが。

「 「ピンキー」と鋭く呼ぶ声があった。」

そんな場面があります。また、こんな描写も。

「コーカリ氏は、バッジのついたブレザー・コートを着、硬いカラーをしていた。」

「バッジ」は我われがいうところの、エンブレムのことでしょう。1930年代には、ハード・カラーのシャツに、ブレイザーを羽織ることがあったのでしょうね。
うーん。時にはハード・カラーにブレイザーというのも、やってみたいものですね。

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