ガルシアとカンタス・マーラ

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ガルシアはそれほど珍しくはない姓ですよね。たとえば作家の、ガルシア・マルケス。代表作は、『百年の孤独』でしょうか。
音楽の世界でも、ガルシアはあって。歌手の、マリア・ガルシア。オペラ歌手。マリア・フェリシタ・マリブラン・ガルシア。スペインに生まれたオペラ歌手。もともとはアルトの歌手なんですが、ソプラノの音域まで出せる歌手だったという。
このマリアのお兄さんもまた音楽家。マヌエル・パトリシオ・ガルシア。1905年3月17日、スペインのマドリッドに生まれています。
マヌエルのお父さんのマヌエル・ガルシアも、オペラ歌手。要するにガルシア家はスペインの音楽一家だったのでしょう。息子のマヌエル・ガルシアは、ロンドンに出て、成功をおさめています。1906年7月1日。ロンドンで生涯を終えています。それにしても、101歳は長寿ですよね。
このマヌエル・ガルシアが出てくる小説に、『この日をつかめ』があります。ソール・ベローが、1956年に発表した物語。

「ガルシア、エドワード七世、キュロス大王といった名高い人の金浮彫りの肖像………………」。

これはある売店に並べられている商品を眺めて場面。背景は、1950年代のニュウヨークになっています。また、『この日をつかめ』には、こんな描写も出てきます。

「ネクタイはカウンテス・マーラの絵柄であった。」

これは「ルービン」が結んでいるネクタイのこと。おそらく、「カンタス・マーラ」のことかと思われます。Countess Mara 。日本ではふつう「カンタス・マーラ」と呼んでいた記憶があります。特別製の、高級ネクタイの銘柄だったものです。とてもネクタイの値段とは思えないほど高価でありました。
ハンガリーの、マーラ伯爵夫人が1938年に開いたネクタイ専門店だったので、その名前があります。当時は、ニュウヨーク、五十七丁目に店がありましたが。
なにかお気に入りのタイを結んで、オペラ鑑賞に出かけるといたしましょうか。

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