ソファーとソックス・ガーター

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ソファーは、長椅子のことですよね。今はもう長椅子よりも、ソファーのほうが多く使われているのかも知れませんが。
ソファーはゆっくり腰かけるものです。また、時と場合によっては昼寝用にも使われたりも。あるいはまたソファーで散歩するお方も。
種村季弘に、『雨の日は ソファで散歩』という著書があります。もちろん「知的散歩」の意味なのでしょうね。
『雨の日は ソファで散歩』に、こんな一節が出てきます。

「長沢節さんコーヒー店のクロンボやコヤマ珈琲店でお見かけしたし………………」。

どうしてここに、長沢 節が出てくるのか。章題が、『池袋モンパルナス』なので。「池袋モンパルナス」は、大正末期から昭和のはじめにかけて建てられたアトリエ村のこと。戦後間もなく、長沢 節はこの「池袋モンパルナス」の住人だったから。
「池袋モンパルナス」は、富豪の、宗教家、初見六蔵が建てたアトリエ村のこと。それは簡単な平屋で、十五帖のアトリエと、四畳半の居間がついた一軒家。もちろん若い画家に住んでもらおうと、建てたのがはじまり。一時期、熊谷守一も住んでいたという。
ソファーが出てくる小説に、『マウントドレイゴ卿の死』があります。サマセット・モオムの短篇。

「片側に暖炉と、大きな革のアームチェアとがあって、反対側には小さいソファがありました。」

これはとあるバアに様子なのですが。また、『マウントドレイゴ卿の死』には、こんな描写も出てきます。

「短い絹のドロワーズに、真紅の沓下どめをつけているのです。」

これはマウントドレイゴ卿が見た夢。つまり正式の場所にズボンを穿かないで出てしまった夢。
まあ、そんな夢を見ることもあるのでしょうが。
それはともかく、マウントドレイゴ卿がソックス・ガーターを使っていたのは、ほんとうのことなのかと思われます。
いいなあ。一度、靴下をソックス・ガーターで履いて。ソファーに寝転がってみたいものですね。

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