バーンズとハイキング・ブーツ

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バーンズは、それほど珍しくはない人の名前ですよね。
でも、詩人で、スコットランドでとなりますと、ロバート・バーンズ以外にはちょっと考えられないでしょう。
ロバート・バーンズは、わりあいファッションとも関係のあるお方です。帽子の「タモシャンター」が、バーンズの詩から出ているのは、すでになんどもお話した通りです。
バーンズが1780年代に書いた『タム・オ・シャンター』は、代表作のひとつ。「シャンター村のタム」の意味です。
シャンター村のタムが、古い教会で魔女の踊りを見る、という内容の詩になっています。もう、今は使われていない教会で、夜遅く、魔女がダンスを。これを見たタムは思わず叫んだ。

「うまいぞ、短いシュミーズ!」

このタムの声を聴いた魔女に追われるという、お話。「短いシュミーズ」、原文では、「カティサーク」になっています。「短い服」の意味。今の言葉ならスリップにも近いでしょうか。
深夜、魔女たちはスリップ姿で踊っていた。それを見られたので、タムを追うことに。
カティサークは、英國の帆船の名前にもなっています。かの有名なティ・クリッパーのひとつ。「カティサーク号」の船首には、人形が飾られています。あの人形はもちろん、カティサーク姿の魔女を表しているのです。
バーンズが出てくる小説に、『六月の組曲』があります。2002年に、ジュリア・グラスが発表した物語。

「中二階でカプチーノが飲めて、格納庫のような空間を備えた大書店“バーンズ・アンド・ノーブル”はまだニューヨークまで進出していなかったが………………」。

「バーンズ・アンド・ノーブル」は、アメリカの大型書店。ゆっくりと珈琲を味わう場所が設けられています。本好きにとっての天国です。また、『六月の組曲』には、こんな描写も出てきます。

「みんなで名所を回るときは、みんなお揃いの真新しいハイキング・ブーツを履いていた。」

「お揃いの真新しいハイキング・ブーツ」。いいなあ。どんなスタイルだったのでしょうか。想像を逞しくさせるではありませんか。
ハイキング・ブーツを履いて、バーンズの故郷を訪ねたいものですね。

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