カモシカとカシミア

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カモシカは、シーロウのことですよね。カモシカは、日本語。「シーロウ」serowは、英語。カモシカは鹿の一種ではありません。むしろ山羊に近い動物なんだそうです。
ニホンカモシカとも言うではありませんか。今は禁猟の動物になっています。が、古代、近世には、カモシカ狩りということがあったらしい。
カモシカの毛皮は特に優れていたので。また、カモシカの肉は美味であったとも。
今、カモシカの語源はよく分かってはいません。一説に、「鴨肉のように美味しいので」カモシカになったとも言われています。
カモシカはまた、賢い動物でもあるんだそうですね。

「二ひきの大カモシカは、群れから、とつぜんはなれて、かけだしました。そして、足でもおったかのように、ひょろひょろっとして、しりもちをつきました。」

椋 鳩十の小説『底なし谷のカモシカ』に、そのような一節が出てきます。
これはカモシカの群れの二頭のリーダーの行動について。狩人に追いつめられた若い群れを助けるための、犠牲の行動なのです。自分たち二頭は犠牲になっても、若い仲間を逃がす考えだったのであります。

グリム童話にも、『カモシカ狩の猟師』があります。
これは猟師が狩りに行くと、不思議な小人があらわれて、「チーズを届けてやるから、カモシカを撃つな」という。次の週、たしかにチーズが届けられたという。もちろん、カモシカの乳で造ったチーズだったのですが。

カモシカが出てくる小説に、『従妹ベット』があります。バルザックが、1846年に発表した物語。

「………シュタインボックという語はドイツ語で『岩の動物』、またはカモシカを指すんですって………」

これは「ベット」の会話として。また、『従妹ベット』には、こんな描写も出てきます。

「だけどわたしはオレンジ色のカシミアの方がいいわ。」

これもまた、ベットの科白として。バルザックの『従妹ベット』を読んでおりますと。当時の巴里には、「カシミアの修理店」があった。そんな話も出てきます。
どなたか修理してまでも使いたい、カシミアのマフラーを作って頂けませんでしょうか。

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