タイプライターとダイヤゴナル

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タイプライターは、印字機のことですよね。まずそれぞれの文字のボタンがあって、そのボタンを押すと、紙に活字として印刷される機械のことです。
タイプライターのアイディアそのものは、1714年にはじまっているそうですから、古い。英国のヘンリー・ミルが考案したと、伝えられています。
実用的なタイプライターの出現は、1873年3月1日の「レミントン」なんだそうですね。レミントンは以前、ミシンを作っていた会社。おしゃれとタイプライターもまったく無関係ではないのでしょう。
なお、和文タイプライターは、1914年になって、杉本京太が工夫したとのことです。

くろがねの筆に文字書く外国の
鬼のつくりしからくりはこれ

寺田寅彦は、大正五年に、『タイプライターを求めて詠める歌』と題して、そんな詩を作っています。

啄木鳥の木つつくさまに我似たり
知恵の林に何を求むる

寺田寅彦は、そうも詠んでいるのですが。たぶん、この頃、実際に寺田寅彦はタイプライターを使っていたのでしょう。

今もなおタイプライターで原稿を書いている作家に、ポール・オースターがいます。ポール・オースターには、『わがタイプライターの物語』があります。その中に。

「何よりいいのは、ほとんど破壊不能と思える頑丈さだった。」

でも、二歳の男の子が、タイプライターのアームを壊して。ハンダ付けで、修理。そのタイプライターは現在も現役であるとのことですよ。

『わがタイプライターの物語』の日本語訳は、柴田元幸。柴田元幸が、ポール・オースターに会った時。「コンピュータに興味ありますか?」と訊ねたところ。

「コンピュータは、怖い」

そんなふうに答えたそうですが。

タイプライターが出てくる戯曲に、『汚れた手』があります。フランスの作家、サルトルが、1948年に発表した演劇。

「ユゴー、タイプライターを打っている。前景よりもずっと若い感じ。」

ト書きに、そのように出ています。
1946年に、サルトルが書いた戯曲に、『墓場なき死者』があるのですが。1946年11月8日に、巴里の「アントワーヌ劇場」で、初演。この時、サルトルはこの劇を観に行っています。
ダイヤゴナルの外套を羽織って。
「ダイヤゴナル」diagonal は、「対角線」の意味。ほぼ斜め45度に走った柄のことです。コートの柄に、ダイヤゴナルは珍しいものではありません。
どなたかダイヤゴナルの外套を仕立てて頂けませんでしょうか。

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