ダウンとダッフル

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ダウンは、綿毛のことですよね。羽毛とも言います。
down と書いて「ダウン」と訓むこと、いうまでもないでしょう。
水鳥の羽根。たとえば、グース・ダウンなどはよく識られているものですね。
ただし、フェザーとダウンとは、別物。フェザーの下にある「綿毛」がダウンなのです。ダウンのひとつひとつは、丸い形をしています。それで、「ダウン・ボール」と呼ばれることもあるのです。
ダウンのなによりの特性は、その保温性。軽くて、しかも暖かい。毛皮の外套も暖かいのですが、ダウン・コートに較べると、重く感じられることがあります。
ダウンは、北に行けば行くほど、優秀になる傾向があるのです。これは天の配剤というべきでしょう。
ますダウンは、中に詰める量によっても異なってきます。当然のことながら、ダウンの量が多いほど、暖かいのです。これはよく見れば、グラム数によって、表示されています。
寒い地方のダウンが、たくさん詰まっているものほど、保温力に優れているわけですね。

「彼は寝具だけは身分不相応なものを作っていて、羽根蒲団など、自分で鳥屋から羽根を買ってきて器用に拵えていた。」

昭和十三年に、岡本かの子が発表した小説『老妓抄』に、そのような一節が出てきます。昭和十年頃には、羽根蒲団を自分で作る人がいたのでしょうか。
羽根蒲団は、寒い夜でも暖房なしで、ぽかぽかと睡ることできるものです。
登山家は古くからダウンに親しんでいたらしい。たとえば、寝袋(シュラフ)。冬山のテントの中でも、ダウンの寝袋があれば、熟睡間違いなしでしょう。
もの少し身近かなところでは、ダウン・ジャケットがあります。冬にはダウン・ジャケットと決めているお方もいらっしゃるに違いありません。

「兄貴は、紺色のダウンジャケットを着て、彼女の横に立っていた。」

谷村志穂の小説『冬のダッフルコート』に、そんな一節が出てきます。これは「私」が、お兄さんと映画館の前で、待合わせする場面として。
では、「私」は何を着ているのか。

「グレイのダッフルコートは、兄貴が去年のクリスマスに買ってくれたお気に入りだ。」

ダッフル・コートもあり、ダウン・ジャケットもあり、ということなのでしょう。
でも、人はなぜ、ダッフル・コートを着るのか。「若さ」の印象を持っている外套なので。では、なぜ、ダッフル・コートには「若さ」があるのか。
第二次世界大戦後、ダッフル・コートが放出品として、市場に出たことがあります。余剰品なので、値段も安く、学生たちに受けたのです。
前合わせがトッグル・ボタンなので、男女共有という利点もあったでしょう。
同じようにトッグル・ボタンのために、活動的でもあります。つまりダッフル・コートには「若さ」の秘訣が詰まっているのです。

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