ウイリアムとウエイストコート

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ウイリアムで、劇作家でといえば、ウイリアム・シェイクスピアでしょうね。シェイクスピアは伝説的なお方でもあって、こぼれ話に事欠かないこと、ご存じの通り。その中でも、ことによく知られているのが、ディナーへのご招待。あらためて、ここにご紹介いたしますと。

十六世紀末の、倫敦でのこと。その頃、「シェイクスピア劇団」に、スタアがあって。名前を、リチャード・バービッジ。名優。
このリチャード・バービッジが、シェイクスピア作の『リチャード三世』の主役を演じて、拍手喝采。
とある貴婦人がリチャードの名演に感動して。舞台の後、そっとリチャードに囁いた。
「今晩のディナーに、ご招待させてください。門のところで「リチャード三世」とお名乗り下さい。」
これをそっと聞いていたのが、シェイクスピア。シェイクスピアは、リチャードよりも先に、貴婦人の屋敷に。
「リチャード三世なるぞ!」
門が開いて、屋敷の中に。食卓には、山海の珍味が並べられて。と、やがて本物の「リチャード三世」が到着。この時のシェイクスピアのひと言。

「ウイリアム征服王のほうが、リチャード三世よりも先であったぞ。」

まあ、歴史的にもそうなのではありますが。
同じウイリアムでも、ウイリアム・ダーガンという人物がいたという話。これは、スマイルズの『西国立志編』に出てきます。訳者は、中村正直。明治四年七月に出版されているのですが。著者、サミュエル・スマイルズは、1812年、スコットランドに生まれています。『西国立志編』は、偉人伝集。
ウイリアム・ダーガンはアイルランドの偉人。その昔、ダブリンで、博覧会を開いて、成功させた人物。
『西国立志編』には、フランスの偉人も出てきます。たとえば、オーシュ・ヒースコート。フランスの政治家。
オーシュ・ヒースコートは、若いとき、ジレに刺繍をして、それで費用を得た。その収入で、本を買ったんだそうです。なるほど。
チョッキに刺繍はできませんが、エンブロイダリーのあるウエイストコートは着てみたいものです。
シェイクスピアの戯曲を探しに行く時にも、刺繍あるチョッキを着たいなあ。

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