恋人とディナー・ジャケット

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恋人を歌った歌は、たくさんありますよね。
たとえば、『悲しきインディアン』だとか。たしか森山加代子が歌っていたような記憶があります。
原題は、『ランニング・ベア』。1959年の発表。ジョニー・プレストンの作詞作曲。歌もまた、ジョニー・プレストン。1960年には、ヒット・チャート第1位に。
これは、「ランニング・ベア」と、「リトル・ホワイト・ダブ」の恋の物語。でも、このふたりは敵同士のグループで。まあ、『ロミオとジュリエット』の現代版でしょうか。
そういえば、昔、「インディアン」という名のオートバイがありましたね。「インディアン」は、1901年の創業なんだとか。アメリカ、マサチュウセッツ州で。ジョージ・ヘンディと、カール・ヘッドストロームのふたりによって。
「インディアン」は駆動を伝えるのに、はじめて金属製のチェーンを使ったとか。それ以前には多く、革ベルトだったという。
「インディアン」は1911年に、「マン島レース」で。1位から3位を占めて。
日本で、オートバイによる交通の取締りが行われて。大正七年のことだそうです。この時に使われたのが、真っ赤な「インディアン」。で、俗に「赤バイ」と呼ばれたんだそうですね。
「インディアン」が出てくる小説に、『ダイヤモンドは永遠に』が。1956年に、イアン・フレミングが発表した物語。

「自分たちのインディアン・オートバイより速い車があったと認めたんでは……」

これは、ピンカートン探偵社の、フェリックス・レイターの科白。また、こんな描写も。

「そのとなりには白いディナー・ジャケットにえんじのイヴニング・タイをしめた……」

「イヴニング・タイ」は、たぶん蝶ネクタイなんでしょう。うーん。白のディナー・ジャケット。
ディナー・ジャケットで恋人を探しに行くのは、夢のまた夢ですが。

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