ワインとスカーフ

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ワインは美味しいものですよね。
美味しい食事に美味しいワインは欠かせません。
ワインは食中酒。これは古代ローマにはじまっているようですね。古代ギリシャでは、ワインはむしろ食後酒だったようです。
古代ローマの美食家といえば、アピキウスでしょうか。アピキウスは古代ローマの貴族にして、富豪だったお方ですね。アピキウスについて、こんな話があります。
ある時。ティベリウス皇帝のところに、美事なボラが届けられた。皇帝は家臣に命じて、「市場に出せ」と。
市場に出すと、アピキウスとオクタヴィウスとが値段を競うだろう、と。果たして、その通りになったそうです。
アピキウスの書いた『調理ノオト』には、旅に持ってゆくワインの話が出ています。ワインと、胡椒と、蜂蜜と。ワインにこれらを加えると、長旅の保存にも、耐えることができたんだとか。
ワインが出てくるミステリに、『長い日曜日』があります。1995年に、セバスチアン・ジャプリゾが発表した物語。

「いいワインですよ、こいつは。郷里のアンジュから取り寄せているんです。」

これは、パリのアムロ通りのバア、「シェ・プチ・ルイ」での会話。「ロゼ・ダンジュ」などというときの、アンジュなんですね。フランスの、ロワール川に面した辺り。ロゼはもちろん、白いワインや、ヴァン・ムスーなども造られています。
また、『長い日曜日』には、こんな描写も。

「上着はロンドン仕立てのツイードで、カンカン帽をあみだにかぶり、首には飛行機乗りの英雄の仲間入りしたかというような長い真っ白なスカーフを巻いていた。」

この時代背景は、1910年代。クレベール・ブーケという男の着こなしなんですね。いいなあ、白い、絹のスカーフも。

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