サルトルとネクタイ

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サルトルについての説明は要りませんよね。フランスの哲学者。二十世紀を代表する偉大なる知性。思想家。
1958年。ジャン=ポール・サルトルはどこにいたのか。何をしていたのか。1958年の6月。サルトルはイタリアにいた。まず、ミラノに行き、そこから、ヴェニスへ。ボーヴォワールと一緒に。シモーヌ・ド・ボーヴォワール著『或る戦後』に詳しく出ています。
ヴェニスでは、「オテル・カヴァレット」に泊まっています。1958年6月17日から。
サルトルとボーヴォワールは、一日をどんな風に過ごしていたのか。朝は、九時半起床。サン・マルコ広場でゆっくりと朝食。これはもしかすれば、「カフェ・フロリアン」のことかと思われます。
朝食を終えると、ホテルに戻って、執筆。午後二時半まで執筆の後、軽いランチ。ランチの後は、散歩。散歩してまた、ホテルへ。午後五時から九時まで、執筆。
九時からは、「ハリーズ・バア」で夕食。この時の食前酒にサルトルは、ウイスキーを飲んだという。食前はふたたびカフェに戻って、食後酒として、ウイスキーを。十二時ころまで。ざっと、そんな暮らしぶりだったそうですね。
シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』が発表されたのが、1949年のこと。そして『第二の性』が英訳されたのが、1953年。1953年、ルーマニアに生まれたのが、ヘルタ・ミュラー。ヘルタ・ミュラーが、1992年に発表したのが、『狙われたキツネ』があります。この中に。

「 〈赤と青の水玉模様のネクタイをした男〉 は三本のネクタイを選んで日の当たる窓際に持っていく。」

そんな一節があります。自然光の下で色を確認するために。おしゃれな人は、よくそんなことを、しますよね。

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