マーマレードとクラブ・タイ

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マーマレードは美味しいものですよね。マーマレードの銘柄に、「クーパー」があります。「フランク・クーパー」の、マーマレード。
昔、ロンドンに「クーパー」という帽子屋があった。オックスフォード・ハイ・ストリート46番地に。帽子屋なんですが、靴下などの洋品類も置いていたんだそうですが。
店主の名は、フランシス・トーマス・クーパー。このフランシスの息子が、フランク・クーパーなんですね。
「クーパー」は1845年頃から、紅茶を扱うようになったという。で、フランク・クーパーの時代になってからは、マーマレードも並べるようになったんだそうです。実際にはクーパーの奥さんの、サラ・ジェーンが作ったマーマレードだったのですが。
この自家製のマーマレードが好評になって。マーマレードといえばクーパー。クーパーといえばマーマレードと、愛されるようになったんだそうです。
1907年に。かのキャプテン・スコットが南極探検に出かけた時にも、「クーパー」のマーマレードを持って行ったとか。
マーマレードが出てくるミステリに、『死はわが隣人』があります。1996年に、コリン・デクスターが発表した物語。

「 〈フランク・クーパーズ・オックスフォード・マーマレード〉のびんの中身をたっぷりぬってあった。」

これは黒パンにバターとマーマレードが塗ってある様子。また、こんな描写も。

「 〈ベア・イン〉は全国的にー 国際的にも ー そのネクタイで有名だった。」

これはありとあらゆるクラブ・タイを蒐めることで知られるパブのこと。「ベア・イン」では、クラブ・タイの、小剣の端を少し切って渡せば、ビールを只で飲むことができた。
切るか切らないかはさておき。お気に入りのクラブ・タイ、一本は持っていたいものですよね。

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