ポンチキと白スーツ

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ポンチキというお菓子があるんだそうですね。ポンチキは、穴の開いていないドーナツといえば、やや近いのかも知れませんが。
ポンチキは、pac zki と綴る。ただし「パンチキ」など数多くの発音があるらしい。paczki はもともとはポーランドの言葉で、ポーランドのお菓子。それがアメリカにも伝えられて。
ポンチキのなによりの特徴は、たくさん食べること。「ポンチキをひとついただきました」なんてことはない、だいたいひとりで10個 とか20個とかを、食べる。それというのも昔は宗教的な行事でもあって、断食に入る前に食べた。だから10個20個はむしろ少ないほどなのですね。
アメリカは広い国で、ポンチキを多く食べるのが、シカゴ。今ではシカゴ名物のひとつになっています。たぶんシカゴは昔からポーランド人の移民が多かったこともあるのでしょう。
シカゴが出てくるミステリに、『ウエディング・ギグ』があります。1985年に、スティーヴン・キングが発表した物語。物語の主人公は、ジャズマンで、時代背景は1927年になっています。
シカゴの町で演奏を頼まれて、田舎からフォードのトラックで、出かける。このトラックは自分で改装してあって、寝泊りも出来るようになっていて。
ある日、シカゴからマイク・スコレイという男がやってきて。「ひと晩の演奏に2百ドル出そう」と。1927年の2百ドルですから、もちろん、イエス。では、マイク・スコレイは何を着ているのか。

「真っ白なスーツに…………」。

純白のスーツ、いいものですね。「白」は、結局、素材感があらわれるもので。優雅な生地は優雅な「白」に仕上がるというわけなのです。

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