タイプライターとタイ

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タイプライターも今となっては、懐かしいものですよね。
世界ではじめてタイプライターを使った私立探偵社は、アメリカの「アラン・ピンカートン」だったそうです。「アラン・ピンカートン」サンフランシスコ支局に、一時期、ダシール・ハメットが探偵として働いていたのは、有名な話でしょう。
「アラン・ピンカートン」が採用したタイプライターは、1872年型であったと伝えられています。それはアメリカの、「ショウルズ」のタイプライターだった。
「ショウルズ」は、ミルウォーキーの車輪工場で作られた。発明家の、クリストファー・レーサム・ショウルズが考えたので、「ショウルズ」の名前で呼ばれたのです。
ただ、1872年頃のタイプライターは、文字の並べ方はA、B、C…………の順になっていた。これを今のように、Q、W、E………の順番に変えたのは、1872年11月8日のことだったそうです。それは当時の植字工の活字箱の配列を参考にしたものだったのです。
昔の印刷には植字工がいて、ひとつひとつ活字を拾って、組む。組んでから、印刷にかかる。そのために、いかにすばやく活字を拾うかが、卓越の植字工とされた。そのための頻度から経験上、割り出したのが、現在の活字の並べ方になっているわけですね。
ただ、1872年頃のタイプライターの活字は、大文字だけ。小文字の用意はなかったのです。これでは具合が悪いというので、小文字をも使えるように。それは、1878時年の、「レミントン」のタイプライターだったのですね。
二十一世紀の今日でも、タイプライターで原稿を打つ作家がいます。イギリスの、フレデリック・フォサイス。フレデリック・フォサイスはあるインタヴューに答えて。「パソコンは持っていない」と、答えています。ただし、iPadは持っていて、時に使ったりも。ただし、小説を書くにはタイプライターである、と明確に答えています。
フレデリック・フォサイスが2013年に、タイプライターで書いたミステリに、『キル・リスト』があります。この中に。

「この人物もスーツ姿で、ストライプのネクタイを締めていた。 ( 中略 ) だから相手はたぶん一流学校の出身なのだろうとおもったが、詳しい知識はないので、それがハロー校の柄であることまではわからなかった。」

これを読むと、少しは英国での「クラブ・タイ」のことが、分かるような気にもなってくるのですが。
いやあ、タイの世界も奥が深いんですね。

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