ダッフォディルとタフタ

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ダッフォディルは、ラッパ水仙のことですよね。ダッフォディルはよく詩にも、歌にも詠まれる花でしょう。
ダッフォディルは、ウエールズを表す花でもあります。ことにセント・デイヴィッド・デイには、ダッフォディルの花を一輪、襟穴に挿すことになっています。セント・デイヴィッド・デイは、毎年の3月1日のこと。
大きく「水仙」は、ナルキッソスで、美少年と大いに関係しています。ギリシア神話に登場する「ナルキッソス」はあまりにも有名でしょうね。
ある日、ナルキッソスは散歩に出て池を見つける。池をのぞきこむと、素晴らしい美少年が棲んでいて。ナルキッソスはその池に棲む美少年にキスをしようとして、池に落ちて死ぬ。そのナルキッソスが溺れた池の端から美しい水仙の花が。それで、「ナルキッソス」の名前がつけられたという。
水仙が出てくるミステリに、『殿下とパリの美女』があります。ピーター・ラヴゼイが、1993年に発表した物語。この中に。

「水仙を腕に一杯抱えて小生は翌朝ペレール大通り五十五番地のベルナールの住処を訪れた。」

ここでの「ベルナール」は、サラ・ベルナール。「小生」は、後のエドワード七世。時代背景は、十九世紀末ですから、まだ英國皇太子の時代。『殿下とパリの美女』では、皇太子とサラ・ベルナールが恋愛をしているとの、設定になっています。まあ、「小説」ですからね。
それはともかく。この「水仙」、もしかすればダッフォディルだったのかも知れませんが。また、『殿下とパリの美女』には、こんな描写も。

「動くときぬずれの音がするレモン色のタフタのドレスであでやかに着飾ったベルナールが……………」。

もちろん、サラ・ベルナールのドレスであります。タフタは、絹の琥珀織。
時に、タフタのネクタイもあります。タフタのネクタイを結んで。水仙の花が挿せるようになりたいものではありますが…………。

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