ヴォルテールとヴェストン・ノワール

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ヴォルテールは、フランスの偉大なる哲学者のことですよね。
1759年刊行の『カンディード』は代表作のひとつでしょう。
ヴォルテールは、17785月30日。八十三歳で、世を去っています。十八世紀に生きたお方としては、とても長生きだったと言えるでしょう。
ヴォルテールは珈琲が大好きで。多い時には、一日に六十杯の珈琲を飲んだと伝えられています。
同じフランスの作家に、バルザック。バルザックの珈琲好きは、もしかすれば、このヴォルテールの顰みに倣ったものかも知れませんね。
ヴォルテールの珈琲好きと関係があるのかどうか。巴里に、「カフェ・ヴォルテール」があります。
巴里、オデオンの近く、リュー・カシミール=ドゥラヴィーニュに、「カフェ・ヴォルテール」が。
「カフェ・ヴォルテール」は、学校街にも近く、パリ大学の先生や生徒も出入りしたという。
十九世紀後半、デジレ・二ザールという偉い先生がいらした。エコール・ノルマルの学長。日本式に申しますと、「高等師範学校」。正しくは、「エコール・ノルマル・シューペリウール」。
たとえば、ここの生徒だったのが、ボーヴォワール。シモオヌ・ド・ボーヴォワール。ボーヴォワールはエコール・ノルマルの試験を受けて、二番の成績。
ボーヴォワールは生まれこの方、二番になったことがないので、驚愕。一番の成績は誰と調べてみると、サルトルだったのです。
まあ、それくらいエコール・ノルマルは成績優秀で、俗に「ノルマリアン」として、尊敬されます。
もし、ノルマリアンが家庭教師をすると、一般大学生の倍くらいの報酬が得られるのです。
十九世紀、エコール・ノルマルの学長だったのが、デジレ・二ザールで、「カフェ・ヴォルテール」の常連。このお方が、なかなかの洒落者だったそうですね。
いつも黒の上着に、グレイのパンタロンだったそうですね。ここで私は、ヴェスン・ノワールを想うのです。日本でいうところのディレクターズ・スーツ。これは純然たる和製英語で、正しいファッション用語ではありません。
イギリスでは、「ヴェスン・ノワール」と言います。略装なので、わざとフランス語にしてしまうのです。
このヴェスン・ノワールに、縞ズボンではなく、グレイのトラウザーズの選択があって良いのではないでしょうか。
一度、ヴェスン・ノワールで、「カフェ・ヴォルテール」に行きたいものですね。

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