女王とモヘア

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女王といって想い浮かべるおひとりに、メアリー・スチュアートがいますよね。カクテルの「ブラッディー・メアリー」はよく知られています。もちろん、あのメアリー。

十六世紀の、スコットランドの女王。この方もまた、波瀾万丈の人生を送った姫君でしょうね。

1558年にはフランスに渡って。フランソワ二世として、フランスの女王に。それからもいろいろとありまして。1561年には、スコットランドに戻る。8月20日のことなんだとか。この時、フランスからカデを連れ帰る。「カデ」 cadet は当時のフランス人将校のこと。この若き将校に、ゴルフの手伝いをしてもらうんですね。このカデから、今の「キャディー」caddie が生まれているんだそうです。

メアリー、ゴルフばかりしていたわけでもなくて、またしても身辺慌ただしくて。1567年、囚われの身に。国家反逆罪。6月15日に。で、スコットランドの、ロッホリーヴェン城に幽閉されてしまう。この時、メアリー・スチュアートは二十四歳。城に閉じ込められたメアリーは、ただひたすらにワインを傾けたという。よくまあ、宿酔いにならなかったものですね。

宿酔いの特効薬とされたこともあるのが、アルカ・セルツァー。アルカ・セルツァーがアメリカの「マイルズ研究所」から発売されたのが、1931年のことなんだそうですね。

1931年に生まれたのが、ジョン・ル・カレ。イギリスの作家。そのジョン・ル・カレが2006年に発表したのが、『ミッション・リング』。この物語の中に。

「すべてを持っている、または望む男が着る、マッシュルーム色のモヘアの三つぞろい……」

これは、アジという富豪の着こなし。このモヘアのスリーピース・スーツは、ゼニア製であるらしい。

ゼニアとまでは申しませんが。モヘアふうのスーツを着て。わが「女王」を探しに行きたいものですが……。

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