シャープ・ペンシルとシュー・ストリング

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シャープ・ペンシルは、繰り出し鉛筆のことですよね。戦前には、多く「繰り出し鉛筆」と言ったんだそうです。
使う度に削る必要のない鉛筆は、1822年のイギリスにはじまっているんだとか。より実用的なシャープ・ペンシルは、1838年のアメリカで。キーランという人物が「エヴァーシャープ」の商品名で売り出しています。
シャープ・ペンシルの名称はこの「エヴァーシャープ」にはじまっているのでしょう。
今のシャープ・ペンシルは主にノック式。古い時代のシャープ・ペンシルは、回転式。軸を回すことによって、芯を出したものであります。

『杉山、時計がいらないなら、シヤープ鉛筆をやらうか?』

昭和五年に、佐々木 邦が発表した『苦心の學友人』に、そんな一節が出てきます。これは華族の「照常様」が、学友の杉山になにか贈物をしようとしている場面。
昭和五年頃には、「シャープ鉛筆」の言い方があった
のでしょう。

シャープ・ペンシルが出てくる小説に、『愛の続き』があります。1997年に、イギリスの作家、イアン・マキューアンが発表した物語。

「………詩人と同じで、理論物理学者が才能とアイディア以外に必要とするのは紙とシャープペンシルだけ………」

また、『愛の続き』には、こんな描写も出てきます。

「ジーンズと、赤い紐を結んだ真新しいスニーカーをはいている。」

これは「バリー」という少年について。
たぶんスニーカーは白で、靴紐が赤になっているものと思われます。
靴紐。英語なら、「シュー・ストリング」shoe string 。
もちろんシュー・ストリングならではのおしゃれの方法もあるでしょう。1 950年代にも赤いシュー・ストリングが流行ったことがあります。
また、細い細いネクタイのことを、「シューストリング・タイ」と呼ぶこともあります。
どなたか現代版のシューストリング・タイを作って頂けませんでしょうか。

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