ティーとデニム・スーツ

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ティーは、紅茶のことですよね。tea と書いて、「ティー」と訓むわけです。
紅茶。日本では「紅色茶」と理解したのでしょうか。イギリスでは「ブラック・ティー」ということがあります。「黒色茶」なんでしょうか。
たしかに日本での紅茶は「紅い」。一方、英国の紅茶は「黒い」。言い得て妙とは、このことでしょうか。
これはたぶん、紅茶の飲み方の違いとも関係しているのでしょう。日本ではたいてい茶の飲み方に似ています。でも、イギリスでは多く、ミルク・ティー。紅茶にミルクを加えるので、ミルク・ティー。
では、どんなふうにしてミルクを加えるのか。
「MIF」と、「TIF」とがあるんだそうですね。
つまり、「ミルク・イン・ファースト」と、「ティー・イン・ファースト」との違い。カップの中に、ミルクを先に入れておいて、それから紅茶を注ぐ人と。紅茶をあらかじめ入れておいて、その後にミルクを入れる人との。
どちらかといえば、上流階級には、「TIF」が多いとの説もあるようですが。

1940年の映画に、『哀愁』がありました。原題は『ウォータルー・ブリッジ』で、大戦中の英国が背景になっています。ロバート・テイラーとヴィヴィアン・リーとの共演。
この映画の中で、二人が偶然に再会して、喫茶点に入る場面があります。二人は紅茶を注文。彼は彼女のために、紅茶を注ぐ。「TIF」で。たしかに彼の実家は富豪でしたからね。

ジョージ・オーウエルに『美味しい一杯の紅茶』があるのは、広く識られているところでしょう。この中で、オーウエル自身も「TIF」であると、書いています。
その理由は、後からミルクを加える方が、分量の調整がしやすいからと、説明しているのですが。
「MIF」であろうが、「TIF」であろうが、結局は好みの味わいの紅茶が飲めれば、それで充分なのですが。

紅茶が出てくるミステリに、『黒い霊気』があります。1974年に、ジョン・スラディックが発表した物語。

「ふたりは紅茶を飲みおわり、店を出た。」

ここでの「ふたり」とは、フィンと、ビーカーという設定になっているのですが。
また、『黒い霊気』には、こんな描写も出てきます。

「スティーヴ・サンディは二十五歳くらいの、痩せた赤毛の男で、その地味なデニムの服は………」

これは店に入って来た男の様子として。
どなたかシルク・デニムでスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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