銀とキャスケット

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銀は、シルヴァーのことですよね。銀のつく地名に銀座があります。いや、日本中に「○○銀座」があるのは、ご存じの通り。それだけ銀座は有名なのでしょう。
一流画廊は本店を銀座におかなくては商売にはならない。そんな俗説もあるほどです。銀座には魔力が棲んでいるに違いありません。
そもそもの「銀座」は、江戸時代慶長六年にはじまっています。徳川家康がこの地に「銀座」を置くことを許したから。銀座。つまりは銀貨の鋳造所だったのですね。当時は大きな川が流れていたので、鋳造にも便利だったのでしょう。
幕末から明治にかけての銀座は何度も火災にあっています。そこで明治のはじめに「煉瓦館」が作られたのです。当時の人たちは俗に「煉瓦」と呼んだものと伝えられています。
焼けては困る人が銀座に集まってきた。これが後に名店街になった理由なのでしょう。
「銀ブラ」。今も使われる言葉なのでしょうか。大正はじめの流行語。これは一節に、「慶應義塾」の生徒が言いはじめたんだとか。
その時代の慶應義塾の学生は、授業が終わると歩いて銀座に出た。なんとなく銀座の街をブラブラ歩く。それで、「銀ブラ」の言葉が生まれたんだとか。

銀が出てくる小説に、『ユルシュール・ミルエ』があります。フランスの文豪、バルザックが1842年に書いた物語。

「善良な神父は、一文無しで不意に訪ねてくる貧しい人たちに、自分の靴や半ズボンの銀の留め金を売って、その金を与えることがしばしばあった。」

また、『ユルシュール・ミルエ』にはこんな描写も出てきます。

「小っちゃな庇の、メロン状に筋が入った、青いラシャのハンチングに………」

「ハンチング」。フランスなら、「キャスケット」でしょうか。casque tte と書いて「キャスケット」と訓みます。
どなたかメロンのようなキャスケットを作って頂けませんでしょうか。

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