中華と下着

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中華料理のひとつに、熊掌(ゆうしょう)があります。というよりも、高級料理なんだそうですね。
熊の掌でも、ことに右の前足が珍重されるとか。昔、中国に紂王(ちゅうおうという名の王様がいた。昔と言っても、紀元前千百年ほど前のこと。今からはるか二千年以上も前の話。
この紂王は、玉の盃で酒を飲み、象牙の箸で熊の掌を食べたと、伝えられています。中国では熊掌が美味であることを、古い時代から知っていたのでしょう。
熊を食べた人に、ナンセンがいます。ナンセンは、ノルウエイの動物学者で、探検家。1893年から1896年にかけて、北極探検に出かけています。
アナ・ガートルード・ホール著『ナンセン伝』に、次のように書いてあります。

「彼等は一日に二食であった。朝は熊のスチューで、夕方は熊のステーキ……」。

「熊のステーキ」。熊はもちろん、北極熊。ずいぶん大きなステーキにもなったんでしょうね。ただし北極熊はシチューなりステーキなり、必ず加熱の必要があったようです。熊の生食は、避けるべきです。
北極は、寒い。ナンセンはどんな下着だったのか。これについても、『ナンセン伝』に出ています。

「バーナード・ショウや多くの他の人たちと同じように、ナンセンはベルリンのエーガー博士に従い気のきいた、健康的な唯一の衣服はぴったりと体についた毛織のものだとの信仰をいだいていた。」

「エーガー」は、イエーガーのことでしょう。イエーガー博士はウールの下着を身に着けるのが健康に良いとの学説を発表した人物。つまり、ナンセンは、北極で、ウールの下着を着ていたのでしょう。

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