ソレイユは、太陽のことですよね。soleil と書いて、「ソレイユ」と訓みます。また、「ひまわり」の意味にも。
昔、『ソレイユ』というファッション雑誌がありました。また、『ひまわり』という雑誌もありましたね。
中原淳一が出していた雑誌の名前。1950年代に、一世風靡したものです。中原淳一はもともと絵師。美少女を描くのを得意とした画家だったのです。
中原淳一は太陽が好きで、美少女が好きで、巴里が好きなお方でありました。そのために、シャンソンの訳詞なども手がけています。
🎶 パダン パダン パダン
また聞こえるものは
パダン パダン パダン
明日の足音さ
この『パダンパダン』は、中原淳一の訳詞なのです。
「男仕立の純白のワイシャツに細い黒いネクタイをしめて、黒いタイト・スカート。まるで男の子のような白と黒の調子の中で、細いウエストにきっちりしめた黄色いベルトがとても綺麗だなと思った。」
歌手の雪村いづみに会った時の印象をそんなふうに書いています。1957年『ジュニアそれいゆ』七月号の対談の時に。
「やっぱり………私もファットです。」
1952年『それいゆ』十二月号の、田中千代との対談で、田中千代にそのように語らせています。
中原淳一も、田中千代も、同じように、巴里のデザイナー、ジャック・ファットを高く評価する点で。
少なくとも中原淳一は単なる絵師ではなかった。そうは言えるでしょう。
太陽が出てくる戯曲に『エルナニ』があります。1830年に、ヴィクトル・ユゴーが発表した演劇。物語の背景は、1519年のスペインにおかれているのですが。
「………それはいまだ太陽の沈んだこともないほどの広さでございましょう!」
これは「ドニャ・ソル」の科白として。
また、『エルナニ』にはこんな科白も出てきます。
「………帽子の羽根飾りも、乗馬用の絹のジャケットも………」
これは「ドン・リュイ・ゴメス」の科白に出てきます。
「乗馬用の絹のジャケット」。
1519年頃のスペインには、絹の乗馬服があったのでしょう。絹。フランスなら、「ソワ」soie でしょうか。
どなたかソワの乗馬服を仕立てて頂けませんでしょうか。