トランジスターと紫

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昔、トランジスター・ラジオというのがありましたよね。
小型の、携帯ラジオ。とにかく外に持ち出すことができるので、驚いたものです。この携帯ラジオのことを歌ったのが、『ポケット・トランジスター』。1960年度頃の、イギリス製のポップス。
『ポケット・トランジスター』を歌って、ヒットさせたのが、英国の歌手、アルマ・コーガンなんですね。日本では森山加代子なども歌っているようですが。本場イギリスよりむしろ日本のほうで大流行になったとか。
1948年のロンドンで、『ハイ・ボタン・シューズ』という劇があって、この中で歌を歌ったのが、若き日のアルマ・コーガン。偶然、『ハイ・ボタン・シューズ』に小さな役で出ていたのが、オードリー・ヘップバーン。オードリー・ヘップバーンとアルマ・コーガンは年も近いので、すぐに仲良しに。
オードリー・ヘップバーンとアルマ・コーガンはそれぞれに女優に、歌手になる夢を語ったという。
1948のロンドンで。オードリー・ヘップバーンはすでに女優をめざしていたことが分かります。それまでのオードリーは、バレリーナになるつもりだったのですが。
1948年にママとロンドンにやって来たのも、バレエを習うためだったわけですから。その意味では1948年の『ハイ・ボタン・シューズ』は、ヘップバーンにとっての大きな転機だったのでしょう。
余談ですが、「ハイ・ボタン・シューズ」とは昔ふうのボタン留めの靴のことです。
オードリー・ヘップバーンが『ローマの休日』で人気を得るのは、1953年こと。
1953年。チリに生まれた作家が、ロベルト・アンブエロ。ロベルト・アンブエロが2008年に発表したのが、『ネルーダ事件』が。この中に。

「小さなグアナコが点々と絵がかれた派手な紫のネクタイの……」

これは主人公で、私立探偵の、カジェタノ・ブルレが結んでいるネクタイなんですね。グアナコはヴィキューナに似た動物のこと。
さて、なにか紫を身につけて。『ポケット・トランジスター』のレコードを探しに行きましょうか。

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