マティーニとトロピカル

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マティーニは美味しいものですよね。
マティーニはごく単純なカクテルで。ジンとヴェルモット。後はオリーヴを入れるくらいのもの。
でも、単純なカクテルほど難しいんだそうで。1979年にアメリカで出版された『ザ・パーフェクト・マティーニ・ブック』には、268種のレシピが紹介されているんだとか。
もし百人のマティーニ通がいれば、百通りのマティーニがあるということです。たとえば、クラーク・ゲイブルには、クラーク・ゲイブルのマティーニがあった。クラーク・ゲイブルのマティーニは。まずヴェルモットの壜を用意して、蓋をしたまま逆さに。その後元に戻してキャップを取り、そのキャップでマティーニ・グラスの縁をなぞる。で、ジンを注いで、マティーニの出来上がり。
マティーニは大きく分けて、シェイク派とステア派とがいるんだそうですね。かのサマセット・モオムは、ステア派に近い。シェイクすると水っぽくなるから、と。
モオム・マティーニは。グラスもジンもヴェルモットも、ぜんぶあらかじめよく冷やしておく。で、それを軽くステアして、完成。
まあ、なにごとにも好みがあるのでしょうね。私はモオムの小説が、好き。ちょっと大人っぽいから。
モオムの戯曲『忠実な妻』が初演されたのが、1926年。NYの『マキシン・エリオット劇場」で。11月29日のこと。
1926年に生まれたのが、エド・マクベイン。エド・マクベインが1990年に発表したのが、『三匹のねずみ』。この中に。

「黄褐色のトロピカルスーツにレモン色のワイシャツ、茶色と金色の縞のネクタイ、こげ茶色のローファー。」

これはカルーサ警察の刑事、クーパー・ロールズの着こなし。
さてトロピカルの服で。好みのマティーニを飲みに行くとしましょうか。

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