子供とグレイ

2015040801
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子供と、大人。どこがどう違うんでしょうね。
男と女の関係で言いますと。男はいくつになっても、子供。女はいつも、大人。なんだかそんな感じがあるんですが。
子供と題につく音楽に、『子供の情景』が。もちろん、シューマンですよね。1838年頃の作曲なんだとか。副題として、「ピアノのための易しい作品」となっていだんだそうです。

「貴方は、僕のことを、子供のように見える、と話したことがありますが、その余韻でしょうか。幼い子の服をまとった気分での、三十曲の小品を作曲しました。そこから一ニ曲を選んで"子供の情景" と名付けました。」

これはシューマンがクララに宛てた手紙の一節。1838年三月十七日の日付けになっています。1838年というと。ロベルト・シューマンと、クララとは婚約中。クララから眺めてのロベルトはどこか子供らしいところがあったのかも知れませんね。
『子供の情景』が出てくる小説に、『ピアノ・ソロ』が。ジャン・エシュノーズが、2003年に発表した物語。

「マックスはまさにシューマンの『子供の情景』を弾くことになっていたのだが……」。

マックスは、主人公。マックス・デルマルクという、有名なピアニストという設定。また、こんな描写も。

「彼はマレンゴ織のグレイの上着とチョッキ、糊のきいたしろのシャツとカラー、グレイのネクタイ、縞ズボン、黒い靴下、黒い靴、申し分のない銀髪という出で立ちだった。」

これはある豪華なレストランの支配人の着こなし。「マレンゴ織」は、フランスにはじまる、霜降り調の、厚手のウール地。
グレイの上着に、縞ズボン。いいですね。これなら子供には見られないかも……。

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