アベラールとダッフル

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アベラールの純愛物語は有名ですよね。アベラールとエロイーズの恋の物語。
ピエール・アベラールは十二世紀、フランスの神学者。今から千年ほど前の話なんですが。
敬虔なる神学者とはいってもやはり人の子で、弟子の、エロイーズに恋をしてしまう。まわりの皆が皆、反対するのですが。止めて止まらぬ恋の炎。紆余曲折、七転八倒。今、『アベラールとエロイーズ』はひとつの物語になっていますが、もちろん、すべて本当にあった話なんですね。
エロイーズが生まれたのは、フランス北部の、アルジャントゥイユ。一時期、アルジャントゥイユの修道院に匿われていたことも。
アルジャントゥイユは美しい町でもあって。シスレーをはじめ多くの画家が絵を描いています。戦前のアルジャントゥイユは、アスパラガスでも知られてところ。アスパラガスが出てきて、「こいつはアルジャントゥイユ産でね……」といったら、上等のアスパラガスを意味したんだそうです。
1882年、アルジャントゥイユで生まれたのが、ジョルジュ・ブラック。フランスの、画家。ジョルジュ・ブラックは絵を描く時、グレイのコール天の上着をいつも羽織っていたんだそうです。ブラックは1963年に、世を去っています。
1963年から物語がはじまる小説に、『オデッサ・ファイル』が。もちろん、フレデリック・フォーサイスの作。この中に。

「彼はズボンとブーツ型の靴をはき、厚い毛のセーターの上から、前合わせダブルになった、青いダッフルコートを着込んだ。」

「彼」とは、ペーター・ミラーという人物。
なにかお気に入りのダッフル・コートで、アベラールの物語を探しに行きましょうか。

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